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豊かなオアシスに恵まれた原油の宝庫 (サウジアラビア王国東部州) その1 東部州の紹介 (Vo.1 Introduction of East Province) 著: 高橋俊二 |
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4. 東部州の産業 4.1 石油産業 4.2 石油化学工業 4.3 非石油工業 4.4 ジュベイル工業都市 4.5 発電および造水 4.6 農業 4. 東部州の産業 東部州の油田には少なくとも2,600億バレルの原油が埋蔵されていると推定されている。この量は世界の石油埋蔵量の4分の1に相当する。又、ガスの確認埋蔵量は5兆立方メーター以上である。この炭化水素の埋蔵量が東部州に計り知れない経済的重要性をもたらしている。さらに、リヤド(Riyadh)、ジェッダ(Jeddah)およびヤンブー(Yanbu)と共に5大工業地帯の中の2つであるジュベイル(Jubail)とダンマン(Dammam)がある東部州に対し、産業変革の努力はすでに大きな影響を与えている。 石油生産は1980年代後半から回復し始め、1990年初めには日産500万バレルにまで増加してきた。1990年8月のイラクのクウェイト侵攻およびその後の1991年1月に始まった湾岸戦争の為にイラク、クウェイトおよび中立地帯の原油生産は止まった。その供給不足を補うために王国は原油生産量は急速に増加させた。サウジアラムコの多くの施設が再稼動され、新たなプロジェクト計画が繰上げられた。原油の生産量は日産850万バレルまで増産された。又、戦後も原油の世界的な需要の増加に応えて生産水準は高い水準に維持された。東部州の原油生産の拡張計画は1990年代半ばに日産1,000万バレル達成を目標に進められた。21世紀に入り、中国やインドの急激な経済発展もあって原油需要はさらに増加し、特に2005年には原油が急騰した。これを沈静化する為に王国は生産量を日産1,100万バレルまで引き上げた。しかしながら原油不足による高騰は長期的には続く見込みなので、サウジアラムコは2009年までに日産150万バレルを増産し、日産1,250万バレル生産目標での増産計画を進めると共に、ガス開発も本格化させている。 東部州の原油とガスは全て政府の所有であり、旧中立帯を除いてサウジアラムコが操業している。(クウェイトとの旧中立地帯では陸上利権がゲティオイル(the Getty Oil Company)で海上利権がアラビア石油(Arabian Oil Company)に与えられていた。)サウジアラムコは世界最大の産油会社であり、王国経済の要でもあり、1980年以降、サウジアラムコは完全に政府所有になった。サウジアラムコは東部州での主要な雇用主であり、その本社は常にダハランに置かれている。同社関連の石油ガス企業が東部州の労働人口の約5分の1を直接雇用していると推定される。その4万3千5百人の強力な従業員には1万1千5百人余りの外国人を含んでいたが、この数字はサウジ人化政策の進展と共に着実に減らされて来ている。 サウジアラムコはその操業を2つの地域に分けている。その南地区は原油と液化天然ガス(NGL、Natural Gas Liquid)の主要な処理施設のあるアブケイク(Abqaiq)から統括され、その北地区はラス タンヌラ(Ras Tannurah) から統括かれている。今日においてもサウジアラムコの政策は国際的な推進力を持ち、以前は消費者や仲介者が利益を享受していた利潤の多い下流部門への転換である。そのために海外の製油所に投資し、海外市場に自らがその石油製品を売り込み、自らの油槽船団を就航させている。又、ゲティオイル(テキサコに利権は引き継がれた)とアラビア石油に与えられていた中立地帯の利権消滅後はクウェイト政府との共同操業の為に子会社を設立し、運営に当たらせて居り、又、2005年10月年にはぺトロミン((Petromin)、を併合し、サウジアラムコはサウジアラビアの炭化水素関連事業を完全に統合支配している。 マスターガス計画(The Master Gas System) 1970年代半ばまでは原油生産はGOSPで原油から分離された多くのガスの廃棄と公害のある焼却を伴っていた。1970年代後半および1980年代初めにこの状況を改善する為にGOSPで分離される陸上ガスを集めるマスターガス計画の大規模な技術検討が行われた。この計画ではガスを液化天然ガス(NGL)に変換する為に多くのGOSPで大型コンプレッサーが増設された。この計画は驚くほどの短期間で1982年までに完了した。 現在、液化天然ガス化から得られるメタンおよびエタンは東部州に在る幾つかの大型石油化学企業への基本的原材料になっており、液化天然ガスは輸出もされており、エタンを伴う液化天然ガスの一部は後述のペトロライン(Petroline)と呼ばれるパイプラインで紅海岸のヤンブー(Yanbu)に送られている。精製されたガスはジュベイルおよびアル-コバールの発電所や海水脱塩プラントでの燃料に使われている。 マスターガス計画では2000年までには全体で70億立方フィート/日に供給能力が増加させ、2010年 ガス供給量は100億立方フィート、2015年の必要ガス供給量は120億立方フィートを目標に設備の増設を行っている。 コアベンチャー プロジェクト 空白地帯沙漠等でのアラムコ独自の新油田開発に加えて、アラムコの国営化以降閉ざしていた炭化水素開発への外資導入を認め、2003年からはコアベンチャー プロジェクトと呼ばれるガス開発が始まり、シェル、ルクオイル(露)、シノペック(中)およびエニー&レプソル(伊、西班牙)とアラムコの合弁会社がそれぞれ21万km2、3万km2、3.9万km2および5.2万km2の探鉱開発事業を始めている。 ペトロライン(Petroline) 1970年代半ばに計画された1,200kmのペトロラインは1980年代初めにアラビア半島を横断して東部州から紅海岸のヤンブー(Yanbu)まで原油とガスのポンプでの圧送を始めた。これはアラビア湾とホルムズ海峡(Strait of Hormuz)を抜ける油槽船航路の戦略上重要な代替え輸出ルートである。この送油管の最大輸送能力は当初は日量320万バレルであり、その後、480万バレルに能力を増強された。 精製 東部州には2つの大きな製油所がある。大きいほうはラス・タンヌラにあり、サウジアラムコの所有で輸出向けの製品を精製しており、クウェイト危機の際はその一部は軍事使用に向けられた。ラス・タンヌラ製油所の製品の半分は燃料油であり、日量53万バレルの原油を精製している。その処理能力は増量する必要があり、一部40年にも成った装置の更新を計画中である。ジュベイルの製油所はぺトロミン((Petromin)、現在はサウジアラムコに吸収されている。)とシェル(Shell)が所有し、精製能力は日量25万バレルである。 無制限なエネルギー供給と石油化学原料の近接で、東部州は石油化学工業の立地の為の条件を備えている。サウジ政府は国内用製油所を持つだけの原油輸出国から下流部門への転換する為にサウジ基礎工業会社(SABIC、Saudi Basic Industries Corporation)を1970年代に創設し、サウジアラビア産の原料を石油製品、ガス、基礎的石油化学原料、肥料等の主要輸出用一次製品や付加価値を付けた石油化学製品、プラスチック、農業化学製品、鉄鋼等の二次製品へ変換した。SABICの政策は指導的な幾つかの国際的な会社との合弁であり、SABICの会社群は石油化学製品の世界的に旺盛な需要に支えられ、その生産量は1990年には1,210万トンに増大し、世界の石油製品生産能力の5%のシェアーを占め、中東を最大の生産者となっていた。 ゴサイビ(the al-Gosaibis)、ザーミル(the al-Zamils)、オライヤン(the al-Olayans)、カヌー(the Kanoos)等の伝統的な東部州の商業資本はこの地方の工業発展に目覚しい役割を担った。代表的な企業としてはアル-コバールにあるナショナル鋼管会社(NPC、National Pipe Company)、韓国との合弁であるサウジ鋼管会社(Saudi Steel Pipe Company)、 サウジ/クウィエトセメント(Saudi-Kuwait Cement)、サウジ製鋼会社(HADEED、Saudi Iron and Steel Company)等が挙げられる。 重工業がジュベイルに在るのに対して小規模な私企業の補助産業や軽工業は州全体のあちらこちらに広がっている。工場の設立はダンマンに在る2つの工業団地が今でも圧倒的に多い。これらの団地では170以上の工場が操業している。建築材料の製造業は原料供給地域の出来るだけ近くに設営される傾向があり、ハサ オサシス(Hasa Oasis)、アブケイク(Abqaiq)やカティーフ(Qatif)で見受けられる。その製造には工業用ガス、化学品、ガラス、アスベスト、ゴム製品、建築材料、塗料、空調器、家具、カーペット、食料、清涼飲料やその他にも多くが含まれている。 今日のジュベイル工業都市は1975年に発布された王令の下に紅海岸のヤンブーと共にサウジアラビアの経済発展を転換させる工業化政策を推進する目的で「ジュベイルおよびヤンブー王立委員会」が設立され、この2つの都市に対する完全な工業および都市立地の基盤整備を直ちに遂行した。ジュベイルのマスタープランは1,030平方キロの範囲に及んでいる。1991年までに人口は5万人に達し、工業の発展と共に6万人規模に拡大するのも間近い。マスタープランでは2010年までには緑に囲まれ、広い回廊の開けた8つの居住地域に28万人が住む事を念頭に計画された。 この都市の南部分はジュベイルの工場群に与えられ、北地区は公共および居住地域が設けられている。ジュベイルは含塩湿地(salt flat)と不安定な砂丘を含む非常に平らな地域であり、海面から高くなっていないので上げ潮で水没しない様に全ての敷地はその水面から2mから5mは盛り土しなければならなかった。同時にこの盛土は土壌の塩分濃度を減らし、植物の成長を促した。この造成はパナマ運河を掘削して以来の大土工事が必要とされた。ジュベイルを建設した際に動かした土量は1m深さの9m幅の道路で地球を取り巻くのに十分な量であったと計算されている。45kmの海岸線を持つジュベイルの景観は本質的に人工物である。ジュベイルの周囲は砂の侵入や沙塵の害を防ぐために植樹で安定化されている。王立委員会は節水に熱心であり、多くの種類の耐塩性植物を導入し、その繁茂を期待している。 SABIC傘下の新しい企業群は全て東部州の原油や1982年に完成したマスターガス システムその他の原料を効率的に使用できるように選択されている。ジュベイルの経済的中心部は20ものエネルギー消費の多い大企業を収容できるように計画されている。製鋼所であるハディード(HADEED)を除き、これら全ての企業は王国で産する炭化水素を原料として使っている。その製品の大部分は輸出されているが、国内の下流企業への原料として供給される量も増えつつある。 SABIC(Saudi Arabian Basic Industries Corp.)傘下の企業 Kemya (Jubail Petrochemicals Company) Sadaf (Saudi Petrochemicals Company) Petrokemya (the Arabian Petrochemicals Company) Sharq (the Oriental Petrochemicals Company) Ibn Zahr (the Saudi-European Petrochemicals Company) Hadeed (the Saudi Iron and Steel Company) Al-Razi (the Saudi Methanol Company) Samad (Jubail Fertilizer Company) Ibn Sina (the National Methanol Company) Gas (the National Industrial Gas Company) Ibn Hayyan (the National Plastics Company) Ibn Al-Bytar (the Saudi Chemical Fertilizer Company)
SABICの傘下外の企業 Sasref (Saudi Aramco Shell Refinery) NPIC (National Petrochemical and Investment Company) SIPCHEM Saudi Chevron Petrochemical Co. ジュベイルが王国開発計画の中心ではあるがそれはその物理的産業基盤や工場群以上に高い生活水準を提供する繁栄する居住環境であり、イスラーム社会都市化の雛形を目指している。王立委員会が着手し、今では工場、民間不動産や個人によって建設されているファナティール(al-Fanateer)やデッフィ(al-Deffi)地区の恒久住宅は間違いなくイスラーム様式の近代的建築である。 又、ジュバイルにはファハド王工業港が建設され、海岸線を10kmも占拠し、ジュベイルの重工業プラントから出荷されるドライ或いはウエットのバルク貨物の為の水深20mの桟橋を持っている。南には一般貨物を扱うそれより小さな商業港があり、工業製品や原料等この都市の輸出入する必要性を賄う為に建設された。又、多くの人に取っては開発の早期の時代から旅行者を扱って来た馴染み深いダハラン国際空港に代わってファハド王国際空港が建設された。新空港はダハランとジュベイルの間の海岸低地の760平方キロを占めている。ファハド国王国際空港の第一期工事には1990年代初期から運営を開始する2つの滑走路と20万平方メートルの旅客ターミナル、11期の搭乗口および4千平方メートルのモスクが含まれている。この空港の設計にもイスラーム建築様式の原則が貫かれている。 又、2004年11月には今後30年の発展を見通し、第二ジュベイル工業都市計画(Jubail II)が発表され、ジュベイルおよびヤンブー王立委員会の手で現在の工業都市北3 kmの場所に基盤整備建設が始まった。既存の工業都市ではSABIC 傘下が主たる企業であり、その他にSABICの傘下外の企業やこれらの企業の二次加工企業や下請け企業があった。 第二ジュベイル工業都市計画でも大規模企業にはSABIC傘下の電力水会社Marafiq (Power and Water Utility Company for Jubail and Yanbu) が含まれているが、約600億ドルの投資の殆どは民間企業と外国資本の出資を見込んでいる。1975年王立委員会(the Royal Commission)を設立して開始した産業改革は大成功と言える。中でも2003年1月に民間のアル-ヨウム財閥(Al-Youm Group)によって設立されたマラフク プロジェクト(the Marafiq projects)の発展は目を見張るものがあり、民営化の象徴となっている。この民営プロジェクトには発電造水(a dual-purpose Independent Water and Power Plant (IWPP))を含み、2,400メガワットの発電所(a 2,400 megawatt power plant) と日産30万立方メートルの造水プラント(a desalination plant with a capacity of 300,000 cubic meters water per day)で2007年の第四半期からの創業を予定している。第二ジュベイル工業都市計画には19の工場とその二次加工企業や下請け企業が含まれる。計画は四期に分けられ2008年までに第一期が完成し、最終的には2022年完成予定である。SABICのプロジェクトには石油化学、肥料、ガスおよび鉄鋼(petrochemical and fertilizer, gas, and iron and steel plants)が含まれている。又、サウジシェブロンヒリップス(Saudi CHEVRON-PHILIPS Company)に対し、50万平方メートルの土地を供与し13-30億ドルの投資を見込んでいる。第二ジュベイル工業都市計画では55,000人の新たな雇用を見込み、現在ハイスタンダードな生活を営んでいる4万人の人口を37.5万人まで増やす住宅整備も含まれている。 その他にサウジアラビア鉱業会社マアデン(Saudi Arabian Mining Company ( Ma'aden ))関連の国家プロジェクトとしてカフジ南西130 kmでジュベイルの北60 kmラス・アル-ゾウルにアラビア湾海岸工業地帯の一部として大規模なアルミニウムおよび燐酸肥料の輸出プラントと鉱石専門港の建設が2005年8月から予定されて居り、2008年から年間生産量64万トンのアルミニウム精錬所と年間生産量300万トンの燐酸ニアンモニウムプラント(燐酸肥料工場)が稼働し輸出を開始する予定である。アルミニウム原料は北部中央のアズ・ザビラーにある年間330万トン生産するボーキサイト鉱床から又、燐酸鉱石はジョルダン、イラク南部およびシリアへと広がる大規模な燐酸鉱物埋蔵堆積地域の一部であるシルハン・トライフ地区のアル ジャラミド鉱床から鉄道で運ばれる。この鉄道はリヤド経由で北部地区と東部州を結ぶ1,600 kmの鉄道拡張計画に含まれて居り、クライヤトからアブ・アジュラム、ハイル、ブライダ、リヤド、アル-カルジおよびホフーフを通ってジュベイルまで結ぶ北部鉄道であり、交通省がサウジアラビア鉄道機構(SRO)に指示してフィジビリティ スタディを既に始まっている。マアデンはこの鉄道をラス・アル-ゾウルまで延長し建設される予定で鉱山工業コンプレックス建設を実行に移しつつある。 1950年代には東部州の発展する町への配電はアラムコの援助を受けた地方の民間会社によって供給されていた。電量需要の増大に連れて全ての給電を一手に担う単一の大規模な公益事業体が必要となってきた。一連の併合の末にサウジ統合電気会社(SCECO、Saudi Consolidated Electric Company)が1976年に設立され、アラムコが当初5ヵ年の経営を引き受けた。SCECOは東部州の工業、商業および家庭用需要の全てを供給する責任を持ち、その給配電網を必要に応じて拡張した。1970年から1985年までの15年間に発電量は20倍に増えた。20世紀末までには再び倍増する予定でいる。消費者への電力料金は政府から厚い補助を得ている。需要は年毎に増えている。今では東部州と湾岸諸国を結ぶ電力網の創設が計画されている。海水脱塩プラントはサウジアラビア淡水化公団(SWCC 、Saline Water Conversion Corporation)が1960年代から担当している。発電プラントと海水脱塩プラントは常にお互いに付随しており、その主要な複合プラントはカフジ(Khafji)、サファニイヤ(Safaniyyah)、タナジブ(Tanaqib)、ジュベイル(Jubail)、ダンマン(Dammam)、アル-コバール(al-Khobar)および‘ウガイル(‘Uqayr)に設けられた。 しかし発電および海水脱塩の操業の効率化の為に自家用を除いては発電専用のガズラン(Gazzlan)等の大規模発電所も建設された。その後、水電力省が設立され、水電力公社(WEC)が発足し、さらに民営化が推進されているので行政的にも経済的にも発電造水複合プラントが今後共、主流となると考える。現在進められている東部州の発電・造水プロジェクトとしては民間、公共投資基金、水電力公社(WEC)60:32:8の割合で投資するラス・アル-ゾウル(Ras Al-Zoul in Jubail(Riyadh用))の80万立方米/日、2,500メガワットおよびジュベイル(Jubail)の東部州用34万立方米/日1,100メガワットと従来よりも一桁大きな規模のプロジェクトがある。 サウジアラビアの近代化の中で外部から驚きを持たれるのは不毛の地の主要な農業生産国への変換である。ハサおよびガティーフ・オアシスの伝統的な農業、果樹園地帯での生産性でさえ政府の投資と奨励で飛躍的に増大した。1970年代の政府は国策として基礎食品の自給、都市部への投資と同じ水準で地方社会の福祉と発展にその資源を割り当てた。 この国は地方のダムや深井戸掘削、ハサ・オアシスの再構築、教育センターの向上および地方道路網の建設等を含む基盤整備全体に投資してきた。無利子の貸付がサウジ農業銀行を通じて供与され、補助金が機械設備、家畜飼料、種および肥料の半額に対して支給された。小麦は非常に有利な助成買い付けが穀物サイロ製粉機構(the Grain Silos and Flour Mills Organization)によって行われてきた。農民や農業会社への農地の無償供与も行われた。公共および民間両方に、肥料、農薬、肉製品、酪農製品、果物や野菜の保管と包装および油脂事業等の農業支援企業が奨励された。 サウジの農業ミラクルの耐久性は政府の投資および助成金の水準を保つ能力次第である。それは経済の他の分野が生み出す富の如何にかかわっている。それは又、決定的に給水維持次第である。王国の地層水の供給能力は広く変化はあるにせよ、くみ上げ速度の現状を維持すれば20年から200年位と推定される。しかしながら政府はこの補給の出来ない水源の使用を最小限にすべく努力しているし、2015年までには都市下水を全量再生中水化しかんがいに流用する計画である。 主要な農産物としては小麦、大麦や伝統的なナツメ椰子等であり、集約的な酪農では殆ど完全に牛乳と酪農製品は自給しており、赤肉の半分、白肉の65%を生産し、鶏卵は輸出している。泥平地、海草床および珊瑚礁の様な東部州のアラビア湾岸の一部は魚や海老資源の育つ重要な海域である。その多くが現在では港や海岸開発に使用されてきている。良好な漁場はダンマン、アブ・アリ(Abu Ali)およびマニファ(Manifah)の沖合である。 |
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