|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ミルバーン著の「東洋交易」からの抜粋 (“Opriental Commerce” or “the East Indian Trader's Complete Guide”) |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
東インド会社操業から得た情報による記述
「東洋交易(東インド貿易要覧)」 又は 「東インド貿易の徹底指針」
ウィリアム ミルバーン(William Milburn)著 1813年出版 (“Opriental Commerce” or “the East Indian Trader's complete Guide”)
東インド会社操業から得た情報による記述
ミルバーン著の「東洋交易(Opriental Commerce)」からの抜粋
索引(Index)
1. ジュッダ(Judda)とその交易 2. 船荷の陸揚げと通関にかかわる費用 3. ジュッダ(Judda)での積み荷売却の為の手続きと注意事項 4. 関税・手数料・停泊料 5. 船荷運賃と船長への報酬 6. ジェッダで通用する通貨と重量単位 1. ジュッダ(Judda)とその交易
この町は北緯21°29′、東経39°15′に位置している。この町はムハンマドを信奉する巡礼(the Mahommedan pilgrims)の為に作られたかなりな規模の交易港である。錨地(the roads)への入り口は浅瀬(shoals)が多く、水先案内無しで入ろうとするのは軽率(imprudent)である。大砲を2度打つのが合図で現地人の水先案内が本船と港外で落ち合い、本船を錨地(the anchorage)まで誘導する。錨地の水深は12ファゾム(fathoms)ある。町は南東から東南東に広がり、錨地から3マイル離れている。ジュッダ(Judda)錨地を出港するのは朝の早いうちが適している。この町はモカ港(Mocha)よりも優れている。上陸する場所は海に臨む税関を兼ねるビジエール宮殿 (the Visier's palace)である。
ジュッダ(Judda)の交易はかつては重要であったが、ここで起きた強奪(extortion)と横暴(insolence)がヨーロッパ貿易を減少させてきた。それでもなおエジプトとインドの間の少なからぬ取引中心(mart)の一つである。スエズからの船舶はジュッダ(Judda)より遠くには進まず、インドからの船舶もスエズまで進むのは稀であった。ジュッダ(Judda)の交易はガルフ(Gulph)、コッセイール(Cosseir)およびマッスア(Massuah)の間で行われている。
(クリックした後、左上にカーソルを置くと右下に拡大マークがでます。)
主な輸入品はインドの反物(piece-goods)である。インドから輸入されるその他の商品には安息香 (benjamim)、檳榔子(びんろうじ)(betel-nut)、桂皮(cassia)、原綿(cotton-wool)、綿糸(cotton-thread)、小豆蔲(cardamums)、陶磁器(china-ware)、肉桂(cinnamon)、丁字(cloves)、ヘンナ(camphire)、ショウガ(ginger)、鉄(iron)、ラック貝殻虫染料の塊(lump-lac)、鉛(lead)、麝香(musk)、肉豆蔲(にくずく)(nutmegs)、阿片(opium)、胡椒(pepper)、厚板(planks)、水銀(quicksilver)、米(rice)、白檀(sandal-wood)、ラック貝殻虫の体表をおおう樹脂(stick-lac)、蘇芳(すおう) (sapan-wood)、砂糖(sugar)、氷砂糖(sugar-candy)、鋼(steel)、生糸(rawsilk)、肩掛け(shawls)、硝石(saltpetre)、錫(tin)、亜鉛(tutenague)、鬱金(うこん)(turmeric)、煙草(tobacco)、綿糸(thread)および朱(辰砂・硫化水銀)(vermilion)がある。英国製品やその他のヨーロッパ商品への需要はとてもわずかな量であり、コーヒーを除いてジュッダ(Judda)で調達できる商品はほとんど無いが、羊と何頭かの去勢牛(bullock)は高いけれども調達可能であるし、市場(Bazar)には果物と野菜が十分に供給されている。ただ、ヨーロッパ人達は市場に行くのに現地人達から傲慢なふるまい(insolence)を受ける。 2. 船荷の陸揚げと通関にかかわる費用
反物(piece-goods)は正貨(金貨、銀貨)(specie)で8%関税を支払い、その他の商品については税官吏が査定し、税官吏が付けた関税はどの様な値であっても減額はされなかった。全ての反物は正貨(specie)で支払われるので全ての梱(こり)(bale)にたとえ数百反が詰められても妥当である。この様にして100反、125反、150反、175反、200反等の梱があった。税官吏が梱の中に何か半端な反物を見つけると法外な料率を掛ける。どちらの場合も知事(bashaw or pasha)以外によっては軽減されなかった。そしてその様な目的での容認はめったに得られなかった。
この為に正貨か反物で少なからぬ贈り物(バックシーシ)が必要である。下記に示すのが知事(bashaw or pasha)とその官吏に対する贈り物(バックシーシ)の一覧表であり、これらは商品の異なった組み合わせと正貨で構成されている。
知事(bashaw or pasha)とその官吏に対する贈り物(バックシーシ)の一覧表
(注)クルーズ(Cruse)は現在の邦貨で2,400円程度と考えられる。
上記の贈り物(バックシーシ)は積み荷の中から見事な商品、まあまあの商品および粗末な商品を選んで用意される。知事(Bashaw)およびシェリフ(Xeriff)の贈り物(バックシーシ)は上記一覧表によればそれぞれ42個である。これらは見事な商品とまあまあの商品の各取り合わせの2個から構成されている。もし幾つか足りない場合はその欠乏を普通の取り合わせで埋めなければならなかった。バシャウ キア(Bashawa Kia)とシェリフのヴィシエール(Xeriff Visier)もこの一覧表ではそれぞれ21個貰っている。それは知事(Bashaw)およびシェリフ(Xeriff)は持っている様に各取り合わせの1個である。残りの官吏への贈り物(バックシーシ)はまあまあの商品および粗末な商品の取り合わせであり、各個人へ送られた個数は分類される事に注意を払わなければ成らない。そうすればこの一覧表による評価が限度を超える事は無いだろう。現金での贈り物(バックシーシ)は知事(Bashaw)を訪ねた後に二流官吏に送られ、その総額は280ジュッダ クルース(Judda cruse)になる。
港湾料金、艀傭船と港湾労働者雇用
税関は通関の為に梱を開け、その費用は8梱当たり1クルース(cruse)である。乗船した知事の護衛(the Bashaw's guard)の護衛に対しては通関が終わるまで一日当たり1クルース(cruse)と通関が終わったチップ(buxies)として20クルース(cruse)を支払う。
艀傭船料(the Rates of Boat Hire)
(注)デュアニー(duanee)はクルーズ(Cruse)の40分の1で現在の邦貨で60円程度と考えられる。
港湾労働者雇用(The Rate of Cooley Hire)
港に投錨したら直ぐに知事(the Bashaw)のエヌバール(the Enubar)と官吏がやって来て積み荷の目録を要求する。彼等は中味を尋ねたりはしないがただ「多くの陶磁器の大型収納箱、多くのベンガル(Bengal)商品の梱」と言うだけだ。
エヌバール(the Enubar)の小舟が本船を離れる時にエヌバール(the Enubar)は本船に2人の税官吏を残して行く。この2人の税官吏は全ての積み荷が荷揚げされ、本船が調べられるまで残る。彼等が本船に滞在する間、糧食用として習慣的な日当がある。政府の官吏達は厄介(troublesom)で傲慢(insolent)であったので、2人の税官吏に加えて何か積み荷が残っている限り、毎晩船尾に1隻の小舟が係留されており、やむを得ない時以外には本船の小舟を使うような事には成らなかった。しかしながら、本船の通関と検査が終われば陸との行き来は自由であった。 3. ジュッダ(Judda)での積み荷売却の為の手続きと注意事項
ハッジ(Hodjee)の前にジュッダ(Judda)に到着する事が有った場合は出来るだけ早く上陸する許可を得なさい。この場合は政府も急ぐように望んでいるので寛大さ(indulgence)を得る難しさは無いだろう。しかし、貴方自身の代理店(broker)と両替屋(shroff)の選択を許されるのに貴方が同意し、そして彼等の署名でそれを書面にするか、さもなければ彼等が費用を支払う貴方に彼等自身の手先を寄越すまで本船を離れてはならない。彼等とは「全ての貴方の積み荷は合計金額が8から9%の関税、諸掛かり等(the duties, charges & c.)の支払いを物品で行う(in kind)。積み荷の開封、検査は貴方自身の家で行い、決して公共の税関では行わない」とも契約に明記しなければならない。
便利な倉庫(warehouses and godowns)を付属する良い家は1シーズン当たり300から400クルース(cruse)位の家賃が掛かる。
貴方が上陸した時に貴方の最初の訪問先は知事(the Bashaw)であり、次にシェリフ(the Xeriff)であり、それが終わったら貴方の借りた家に戻り、出来るだけ早く貴方の積み荷を陸揚げし、貴方の倉庫(godaowns)の中に検査の為に整える。(積み荷は貴方の艀から貴方の家まで直ちに運びそして税関に近づか無い様に注意しなければならない。)ごたまぜになっている商品のそれぞれの記述を商品自身、運送量および私用交易によって区分けし整頓させ、そして全てが区分けが終わったら積み荷の検査準備が整ったと政府に連絡する。
知事(the Bashaw)とヴィシエール(Visier)が来た時にはバフタ(baftas)等の異なった包みを渡し、彼等に「これらにはどれくらい数の何と何の商品が入ってる」と告げるが、それぞれの梱の量や数は非常に正確でなくては成らない。もし、彼等が貴方の数えた数と一致しているのを見つければ彼等はそれぞれの種類について1梱か2梱以上は開けないが、数が貴方の報告書と異なっていると彼等は貴方の貨物の全ての梱を開けるだろう。これは非常に厄介であり、貴方のこれからの商売の全てが疑われる原因となる。
「ジュッダ(Judda)で貴方が遭遇するもっとも厄介な問題は検査と関税支払いだ」と貴方には直ぐに分かるだろう。検査と関税支払いが済んだ時に貴方はおよそ4,000クルース(cruse)分となる様に貴方の積み荷の反物の全ての種類から2、3反を政府への贈り物(バックシーシ)として整えなければならない。この贈り物(バックシーシ)の費用は船主達だけでは無く、全ての荷主に割り当てで請求され、そしてアラビア語の代書人を含めておよそ1,500から2,000クルース(cruse)となる仲介手数料も同じ様に割り当てで請求される。
納められる贈り物(バックシーシ)は両替屋達(shroffs)の間で新旧のドイツのクラウン貨(crowns)、ヴェニス(Venetians)、スタムボル(stamboles)、ジールマボブ(zirmabobs)やその他の貨幣で幾らになるか査定する。しかし、ジールマボブ(zirmabobs)、ミッシリー(missiree)あるいはジンゲリー(gingelees)は利益を生まないので買ってはいけない。決める為のもっとも良い基準はボンベイとマドラスの貨幣鋳造所(the Bombay and Madras mints)が作った貨幣を自分の計算に基づいて購入する事である。この様に準備している時に商人達が訪れ、もしハッジ(the Hodjee)が近づいていれば取引をせがむだろう。支払いは巡礼月(the Hodjee)が明けるまで行われないので、即金(ready money)について話す必要は無い。だから取引(bargain)を巡礼月(the Hodjee)明けて彼等が支払う正貨(specie)および全ての貨幣の交換料率と共に彼等がメッカから戻てから支払う様に取り決めなければならない。これら全ての商品(article)は貴方の代書人によって記帳され、代書人の記帳が何か論争が起きた場合に証憑(voucher)となる。そしてこれが雇ったアラビア語代書人の唯一の実践的使い方である。
最初の付け値(offer)が必ず最高であり、もし1人と自分の積み荷全てに合意できるとすれば、より大きな値段を面倒無しに獲得出来ると云う二重の利益を得られるだろう。到着した時から巡礼(the Hodjee)の時までは非常に短期間ではあるが、巡礼の来た後では商品(goods)は売れ無いし、少なくともその様な良い値は付かないだろう。
自分が信用した商人達の性格によって導かれる。彼等は互いに「もし彼がメッカを一度訪れたら彼の面倒を見よ。もし彼がそこを2度訪れたら信用するな。もし彼がそこを3度訪れたら、彼はお前をだますのでどんな種類の取引も彼とはするな」と言う。
1人に全ての積み荷を売るあるいは商品の特定の種類だけ売る場合には「彼等はそれらを平均的な価格で買うのでその種類の上等な商品の持ち主達(proprietor)は彼等の商品に釣り合った値上げをしなければならなく、その結果として粗末な商品(coarse goods)の持ち主達は質が悪いのに恐らく他の良質の商品の需要によって売れているだけなので彼等の商品の売り上げ総額からその値上げ分を差し引かなければならない」のをよく見て無くてはならない。
約1ヶ月して商人達がメッカから戻ると直ぐに金を集め始め、そしてそれを受け取り次第直ぐに本船に送らなければならない。もし可能であっても決してその金の一部でも自分の家に置いてはならないし、そして同時に全ての商人達や巡礼達に呼び掛け、出港日を決めなさい。商人達はこの方法で彼等の財産、運賃および彼等自身を旅客として整える。
商品の値段はジュッダ(Judda)では安く、最初の付け値(offer)で売らないならば、貴方のアラビア語代書人は自分の世話の委ねられ、自分自身が巡礼達(the Hodjee)に売り、手数料を得ようとして貴方に商品をメッカ(Mecca)に送る様に説得する努力をするだろう。この市場を良く知っており、最高の清廉さ(the highest inegrity)を持っていたので、この手数料は貴方に非常に市場のもともらしい(specious)、好意的な勘定(つけ)(accounts)をもたらし、加えて勘定(つけ)に薦める多くの人々も連れてくる。しかし、巡礼(the Hodjee)の際に売られる商品を自分の勘定(つけ)でメッカに送れば、おもわく売買(speculation)で全部を失わないまでも少なからぬ損失を被るのでどの勘定(つけ)に対してもこの罠(snare)に陥ってはならない。 4. 関税・手数料・停泊料
陶磁器や商品に課せられる関税は政府によって貴方が政府に与えた勘定から清算される。関税は法外に(extravagantly)法外(exorbitant)であるけれども貴方は対抗手段を持たないので不満を言っても無意味である。そしてこの清算は商船乗り組の船荷監督(supercargo)あるいは事務長(purser)によって公共の税関で行われる。これは必要なやり方なのでこれに従わなければならない。
彼等は税関で貴方の麝香(musk)および沈香の材(agala-wood)(伽羅)の重さを量りそして彼等自身を満足させる為にそこでそれを開く様に望むだろう。しかし貴方はそれをするのを許してはならない。もし、彼等が貴方の梱包の中味を見たいと望むなら、彼等を貴方の家に来させなさい。もし、貴方が税関で何かを開けると貴方は確実に25%を失う。貴方が恐らくそれを救う事は出来ない程、彼等はそれ程長けた盗人である。
反物(piece-goods)と粗悪な積み荷(gruff cargo)に対してキャルム(Calum)とゼラルフィー(Xeralphie)の指揮の下に彼等は貴方の関税に上乗せして10%を請求するだろう。これを彼等は税関に付随する違った代書人や人々の為の手数料(fees)と呼んでいる。僅かな手数料(a small fee)で貴方が荷解きあるいは数える事をせずに貴方の陶磁器への関税を5%で彼等を説き伏せられるだろう。それは貴方の関税全体を11、12%に減額する。もし巡礼(the Hodjee)の前の時間が短ければ、政府は躊躇する事無くこれに同意するが、関税を除いて陶磁器の各大型収納箱から10個づつの茶碗を受けとる。貴方は陶磁器(China ware)をインドの全ての地方で20であるコージ(corge)で一般的には売っているので、ジュダ(Judda)ではコージ(corge)を22であると戻さなければならない。
貴方が貴方の氷砂糖(Sugar-candy)あるいはその他を重量で売る時は論争を避けられるのでを税関のさおばかり(steelyards)を取り寄せ、品物を量り、自分の家に納めなさい。これらのさおばかりが包装の風袋重量5%から20%を自由裁量で削減するので前もって風袋(tare)にたいして同意できる。氷砂糖では約10%である。この件に関しては個人的に密かに運んだ税関の計量係への小さな贈り物(バックシーシ)は計量係が一般的に風袋を決めるので有利な処置だろう。贈り物(バックシーシ)と同じ様に計量係に数クルース(cruse)とアラック(arrack)を時々与えなさい。もし知事(the Bashaw)が貴方の積み荷もしはその一部を購入すると計量係はその納入に対して最低の計らいしかしてくれない。対称的に貴方は正反対を期待する事になるだろう。しかしこの中でさえも数クルース(cruse)とアラックの為に計量係は貴方に尽くそうとするので贈り物(バックシーシ)は間違ってやり方では無い。
麝香((musk)を量る貴方の両替屋(shroff)を強要しなさい。これは貴方に大きな節約となるだろう。麝香は400ドラム(drams)のラトル(rattle)で売られる。
貴方は1,000クルース(cruse)から2,000クルース(cruse)を停泊料(anchorage)を支払い、その中の350クルース(cruse)は上陸した時に支払う。これが水先案内費を除いた貴方がジュッダ(Judda)に支払うべき料金の全てである。
値段、支払い高(payment)、通貨あるいは商品の何れかに避け難く持ち上がる論争に対して貴方が留意する必要があるのは今である。それらは可能であれば友好的に貴方の両替屋(shroff)又は尊敬に値する商人達によって清算されなければならないが、もし貴方がこの論争を政府に照会する必要が或る場合には贈り物(バックシーシ)無しで、貴方の両替屋(shroff)に知事(the Bashaw)とシェリフ(the Xeriff)のどちらが最高の重要さを持っているか問い合わせなさい。もし貴方の問い合わせが知事(the Bashaw)であれば、貴方が個人的に行きなさい。もしシェリフ(the Xeriff)あればジュダ(Judda)の彼の館に行きなさい。もしシェリフが不在であればメッカ(Mecca)にいる彼に貴方のアラビア語代書人を通じて手紙を書きなさい。しかし、政府との全ての連絡は貴方が贈り物(バックシーシ)をし、関税を支払った後で直ちに終了させる必要があるので、これら全ては最高に緊急な必要な場合のみである。 5. 船荷運賃と船長への報酬
船長は各人にそれだけの頭(head)を持っており、水と糧食も持って居るので、これらの旅客と巡礼旅客から船長の主要な報酬(emolument)が生まれる。この両方は習慣として船主から船長に認められている。船長の更なる報酬は船長が船上で取る貴重品への運賃(the fright treasure)を保証する事で生じ、乗船している乗客であるけれどもこの土地の商人達はそれ対して決して逆らわず、もし、船上に持っている多くのドル(lacs of dollars)に対し小銭(sou)の価値しか無いけれども船長の保証を取った。
恐らく7月末となる貴方のジュッダ(Judda)での取引を終え、8月1日出港できれば、貴方は多分10日までにモカ(Mocha)に着くだろう。貴方はモカ(Mocha)を出発する前に紅海に出る(to go up the Read Sea)と仲介人に通知しなければ成らない。そして仲介人に出来る限り全ての船荷(freight)を貴方の為に調達する様に望み、そしてその時までに準備させて置く。 モカ(Mocha)からボンベイ(Bombay)までの運賃(freight)は貴重品が21/2%であり(そしてスラト(Surat)までは荷受け人に無料で届ける)、金が3%で銀が41/2%である。この流儀で貴方は貴方の取引を全て出来るだろうそして恐らく満載(a full freight)で8月20日までにモカ(Mocha)を離れる。(特に会社の船がそこに無い期間がもし1年であれば、満載の船荷を得られるのは殆ど疑いも無い。)これは貴方がボンベイ(Bombay)に9月の早い時期に到着する事を意味し、貴方は良い気候ともし必要でスラト (Surat)へ行くならその前にまるまる季節を確保できる。
ジュッダ(Judda)からスラト(Surat)、ボンベイ(Bombay)あるいはマドラス(Madras)への貴重品の運賃は一般的には3%であった。保険料の掛け金(the premium of insurance)は船長が同意した様に1%から2.5%である。粗い商品(gruff goods)の運賃は任意であり、双方で合意しなければならない。
もし、本船がスラト(Surat)へ行き、積み荷を届けて3月の満月の前にスラトを出港出来るかどうかが疑わしくなる程に季節が進んだ場合には商人達がこの貴重品を何か他の輸送機関でボンベイから送るのを容認しない限りはボンベイに着いたら直ちにスラト(Surat)行きの貨物は断りなさい。もし、商人達がこれに同意するなら、追加費用はスラトの彼等の代表者によって支払われ、貴方によってでは無い。もし、これを行うのに彼等を説き伏せられれば、彼等はそこからグゼラト(Guzerat)、コシムブザール(Cossimbuzar)およびベンガル(Bengal)への反物等の大量の委託貨物を持って居り、結果的に多額の送金をしなければないので貴方の運送量(feright、船荷)を大幅に増加させるだろう。
ジュッダ(Judda)で物納(in kind)した反物に対する関税に対して政府は事務長(purser)と通訳(linguist)にそれで支払えると認めている、2梱(こり)(bale)すなわち(viz.)各1梱、彼等自身の為に積み荷の中でもっとも高価な梱を選びだす許可を与えている。一般的には自分自身の事務長である船長、これも貴重品の船荷(his freight treasure)同様に彼の役得(perquisites)の1つである。船長は次の様な船長謝礼金(primage)を引き出す。すなはち1,250クルース(cruse)毎に彼は1ドイツクラウン硬貨(German crown)を取り、1船荷証券(bill of lading)への署名毎に1ドイツクラウン硬貨、乗船する船客一人当たり1ドイツクラウン硬貨、各梱(bale)、大型収納箱(chest)、包み(bundle)および梱包(package)等各船荷全てに対して25デュアニー(duanees)を取る。 6. ジェッダで通用する通貨と重量単位
前記の手引きは或る程度までアラビア湾(the Gulph)の他の場所でも通用する。勘定はクルース(Cruse)とデュアニー(Duanees)で行われており、40デュアニー(Duanees)が1クルース(Cruse)である。
ここでは貨幣(硬貨)を鋳造(coin)してはいない。全ての額面(denomination)の外国の硬貨が通用している(pass current)。多数の巡礼流入から多量の小銭が流通している。しかし、これらはヨーロッパ人によって国外に持ち出される事は決してなかった。
ジュッダでの銀貨と金貨の一覧表 およびそれらが一般的に流通している価値
100枚のグッパーは21/2%であり、100枚のVenetiansもしくはStambolesより少なかった。
ジュッダ(Judda)の変動での交換: しかし、一般的な平均は100スペイン ヘッド ドル(Spanish Head Dollars)が250ジュッダ クルーズ(Judda Cruse)で引き取られた。ピッラー ドル(Pillar Dollars)は約2%でヘッド ドルよりは価値があるにもかかわらず、ピッラー ドル(Pillar Dollars)とヘッド ドルはここでは同じ価値に評価された。仏クラウン貨(French Crown)は同じ標準でも13%少なく、これによって仏クラウン貨又はピッラー ドルの買い取りでは有利になると思われる。しかし、可能で有れば、どの様な金貨もインドに持って行くのは避けるべきである。
ジュッダ(Judda)でボンベイに伴う硬貨の相対的な価値の比較検証
上記の記事は特に4%に達する貨幣鋳造を除いてかなり正確である。100オンス(ounces)の標準銀は2581/2或いは259のアルコート ルピー(Arcot Rupees)をもたらし、アルコート ルピー(Arcot Rupees)とマドラス ルピー(Madras Rupees)の間には1%の違いしか無く、アルコート ルピー(Arcot Rupees)を7%に造り、両替屋達(the shroffs)に売った方がそれでマドラスルピーを鋳造するよりは良い。
重量はヴァキア(Vakias)、マウンド(Maunds)、ファジル(Frazils)およびバハール(Bahars)で次の様に換算される。
重量単位の換算
しかし、トルコのやり方では全ての商品はさおばかり(Steelyard)で量られていたのでトルコ商人達同様にヨーロッパ人達も計量人が商人達に与えるのに適正であると考えた重さで満足せざるを得なかった。自分達の家での売り買いの時も商人達は自分達で商品を量る事は許されて居なかった。それで無くても計量する商品に或る程度の余裕を上乗せする不合理な習慣があった。風袋(tare)を除いたそれぞれの商品に対するその様な余裕は次の通りである。
計量時に計量人が上乗せする余裕(風袋を除く)
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|