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2009月12月6日 高橋 俊二
 

マッカ・ムカッラマとメッカ州

(サウジアラビア王国西部地方)

その夏の政庁・薔薇の市 ターイフ

Summer Capital - Rose City Taif

 

第七部 中心から離れた地区(Outlying Districts)

第八部 今日のターイフ(Taif, Today)



 

 

第七部 中心から離れた地区(Outlying Districts)

 

シャファ(al-Shafa)、ハダ(al-Hada)、涸れ谷リイヤ(Wadi Liyyah)およびハウィイヤ(al-Hawiyyah)の中心から離れた4地区が行政上および国土計画上の目的でターイフに統合されている。

 

7.1 シャファ地区(al-Shafa District)

 

 

7.1.1 「治療」と云う名の名声(Admiring Fame as "Cure")

 

新たに20km、両側各2車線の自動車道路が環状道路と繋がれ、健康に良い効果のある事で知られ「治療」を意味するシャファ(al-Shafa)は常にターイフの住民自身が賞賛して言及している。ダカ(Dakah)とカールナイト(Qarnait)の山頂の間の標高2,300mに収まり、シャファの山の景色、涼しさおよび緑樹はサウジアラビア西部では本当に特有であるので、賞賛を一杯に享受している。崖地のもっとも高い場所を占め、シャファは森に被われた斜面、陰の多い渓谷、エメラルドの様な緑の畑、サラサラと音を立てる小川(brook)および風光明媚な山の峰々や絶壁(precipice)等の地域である。魂の為の食べ物に加えて、この地方は糧食やその他の有益な産物も牧歌的(bucolic)な境遇に住む人々に提供したので、シャファの名声はその土地と同じ位に古い。

 

7.1.2 シャファ地区の特産(Special Products of al-Shafa)

 

シャファの斜面のビャクシン*の幹は集材され、隊商でターイフに運ばれ、住宅建設用の天井のたるきに使われる。規則的な剪定は比較的真っ直ぐな柱を得る為に木々に対して行われていた。高い斜面の割れ目や裂け目で豊富に育つ野生のラベンダーも収穫され、駱駝の背に積まれ、貴重な香水を生産する為にターイフやメッカの市場で売られている。しかしながら、

 

一番評価の高いシャファの産物は常にバールシュミ(棘だらけの西洋梨)(Barshumi)であった。多彩な果肉に含まれる石の様に堅い種さえ気にしなければ、甘く、汁気が多く美味で、さわやかであり、今日でさえ夏の月間には道路脇で売られている。バールシュミは地面に葉っぱの様なサボテンを差し込んでやれば何も構わなくても成長し、放っておくと何倍にも増えるので適当に刈り込んで成長を抑えなくてはならない。バールシュミにはシャファは最適な土地で、質も量も本当にすぐれている。キチンと小さな箱に詰められて、この土地で観光客や旅行者に売られており、ターイフやメッカに運ぶと直ぐに売り切れてしまう。(私は何度か食べたがそれ程、美味しいとは思わない。)

 

 

7.1.3 野外休養地(Out Door Recreation Center)

 

シャファ(al-Shafa)ではファハド国王(King Fahad)が平らにした丘の上に聳える様な王宮を持ち、多くの王族や有力者達も又猛暑から逃れる為の別荘を所有していた。彼らはシャファ地区の特徴ある環境の変化を好まなかったが、1980年代初めにはこの地区はターイフの住人やサウジ中からの人々に対する野外休養地として有望な開発の対象と成って来ていた。この為、ファハド国王は自然環境保護を名目に勅令をもってシャファ地区およびハダ地区においての今後の開発を含む新たな建設工事を禁じた。この為、これからは絵はがき様な景観を持つこのサウジアラビア アルペン保養地は将来の世代の人々がその良く知られた名声に気付かされ、ここを訪れ、楽しく過ごせる様に今の状態が保全されて行くだろう。

 

7.2 ハダ地区(al-Hada District)

 

7.2.1 「静穏」を意味する保養地(Health Resort under Name of Tranquility)

 

標高2,000mより少し低く、それでもターイフよりは高い、「静穏(Tranquility)」を意味するハダ(al-Hada)は長い間、ターイフとメッカを直接結ぶ山道(現在は幹線道路)を跨ぐ恩恵を享受してきた。1970年台初めから10年位の間の暑い季節にはジェッダやメッカの人々が崖地を登ってきて、涼しさ、そよ風それに時折の霧雨を享受していた。この為にハダは天幕の海に成っていた。今では同じ人々の多くが小さな田舎屋敷や名声のある大邸宅の形をしたもっと恒久的な宿泊施設を所有している。軍事病院やリハビリテーション センターも多く作られた。

 

 

短期滞在或いはたまたま滞在している観光客にとってはシェラトン ホテルによって眺望が占められている。このホテルの部屋では周囲の包括的な劇的な眺望が提供されている。少し、劣るが、同じく目を引き付けられるのは丘の中腹に不規則に広がった建物の複合体(Complex)であり、その僅かな詳細に至るまで注意深く造園されている、西部地域では主要な健康施設を代表しているハダ軍事病院やリハビリテーション センターである。

 

 

 

幹線道路(Highway)の東険しい断崖の際に位置する遠くまで見通すレーダーのディシュアンテナはターイフの戦略的な重要さを思い出させる。良く整備された地方道路網がこの地方のどんな片隅にでも出入りを可能にしている。常緑樹、花の咲いたバールシュミ(棘だらけの西洋梨)(Barshumi or Prickly-pear)のやぶ、果樹園や小さな農場はその緑を周りを取り巻く山々の不毛の褐色と対比している。

 

夏は宵毎に強力なハロゲン街路灯から街路脇で露店の裸電球まで一千もの光が澄んだ空気の中に光を放つ。露店では行商人が地元産イチジク、バールシュミ、葡萄、矮小林檎などの果物の盛り合わせを売っている。人々は夕暮れ前にもっとも景色の良い場所に車を止め、太陽が崖地の縁の遙か下のティハマー平地(Thihama)のかすんだ彼方にゆっくりと沈んで行くのを眺めて楽しんでいる。

 

抑制されない開発が長い間にこの場所の特別な特色を損なうのでハダ(al-Hada)は広く前述した勅令で保護され、限られた幸運な人達だけにほとんど排他的に保護されている。

 

7.2.2 イーラムの涸れ谷ミフリム(Wadi Mihrim Station to don Ihram)

 

ターイフに向かってハダから直ぐに特別な宗教的に重要な場所がある。それが涸れ谷ミフリム(Wadi Mihrim)であり、東から来た巡礼はここでイーラム(Ihram)に着替えなければならない。イーラム(Ihram)とは2枚の縫い合わされていない絹以外の白い布からなる巡礼用の外衣で、巡礼達が清廉な状態に入る象徴である。

 

道路の南側にある古いモスクは最近、北側に作られた新しいモスクの為に小さく見える。新しいモスクは本体の他に付帯設備のある広大な駐車場と幹線道路から出入りするためのランプで構成されている。この事がメッカ巡礼(ハジ(Hajj))でのターイフの重要性に気づかせてくれる。年を追って、遠くイラク(Iraq)やイエメンおよびその中間の国々から巡礼の波は巡礼の最初の儀式を行う為にここに集められる様に成って来た。その儀式とは自分達の平服を脱ぎ捨て、神の家への敬虔な訪問者としての衣を着用する事である。

 

7.3 涸れ谷リイヤ地区(Wadi Liyyah District)

 

涸れ谷リイヤ(Wadi Liyyah)は古くから農業の伝統を持つ地区で、いまではターイフとアブハ(Abha)を結ぶ道路の起点である事でそれが促進され、平行して商業企業が発展している。有名なターイフ柘榴の殆どが他の幾つかの農作物と共にこの谷で生産されている。

 

 

涸れ谷リイヤには630年のフナインの戦い(Battle of Hunain)*で預言者の率いるムスリム軍に敗北したハワジン族(Hawazin)の族長マリク イブン アウフ(Malik ibn Auf)が砦を持っていた。

 

涸れ谷リイヤはターイフ市街化計画で時機を得て必要な施設の整った衛星集落となり、ターイフ市拡張の圧力の緩和に貢献している。新空港の候補地は涸れ谷リイヤの直ぐ北である。現在の所は既存の空港で間に合っているので現在の優先順位は低いが、もし、実現すれば涸れ谷リイヤが画期的な飛躍をするのは間違いない。

 

7.4 ハウィイヤ地区(al-Hawiyyah District)

 

7.4.1 ナジドからの山峡道路入口の伝統的な村

(Traditional Village to access Ravine Road from Najd Desert)

 

ハウィイヤ(al-Hawiyyah)は昔からナジド道路(Najd Road)沿いの小さな村であり、ターイフとメッカを結ぶ「山峡(Ravine)」を意味するサイル道路(al-Sail or al-Sayl)からも近かった。

 

涸れ谷カイム(Wadi al-Qaim)がこの地域を横切り、一連の農場を収容している。若い頃は4月から10月まで通常はターイフに住んでいたファイサル国王はその農場の一つを所有し、その産物の柑橘類(Citrus)、葡萄、梨、桃等を満喫していた。

 

7.4.2 ターイフ第二の集落(2nd Important Settlement in Taif Metropolitan Area)

 

今ではターイフのこの郊外の両側には近代的な幹線道路が走り、近接した二つの主要な交通路のサービスセンターである。ハウィイヤ(al-Hawiyyah)は今では住宅地であり、市中心街に次いでターイフでは2番目の重要な集落と成っている。ターイフ空港は市の中心から少し北の標高1475mにあり、王国内の主要な都市と飛行便を日々頻繁に往復させ、国際便との乗り継ぎもはかっている。

 

7.4.3 特色を持つ建造物(Main Features of District)

 

この地区で特色を持つ主な建造物にはターイフ スポーツ センター、競争路、マッサッラ インターコンチネンタル ホテル(Massarrah Intercontinnental Hotel)、金のドームのモスク(Gold-domed Mosque)等がある。

 

 

ターイフ スポーツ センター(Taif Sports Center)は国内外の競技を行う為のスタジアムであろ。競争路(Race Course)はリヤドへの幹線道路の傍にあり競馬や駱駝レースが行われる。マッサッラ インターコンチネンタル ホテル(Massarrah Intercontinental Hotel)1977年に石油輸出国機構(Organization of Petroleum Exporting Countries)の会議を主催する為に8ヶ月で建設され、全プレパブの構造が実際にターイフまで一つ一つ空輸された。

 

金のドームのモスクはリヤドへの幹線道路の東側でホテルとは反対側にあり、現サウジ国王で当時皇太子兼国家親衛隊司令官であったアブドゥッラー ビン アブドルアジズ(H.R.H Prince Abdullha bin Abdulaziz)の王宮の付属物であった。アブドゥッラー皇太子は自分の夏の逗留はターイフ(Taif)のハウィイヤ(al-Hawiyyah)に住むと決めていた。

 

第八部 今日のターイフ(Taif, Today)

 

最新式の道路網でターイフはメッカ(Makkah)、マディーナ(Madhinah)、リヤド(Riyadh)やその他の地域とつながっており、内外の数千人の休暇旅行客が夏のターイフで美しい景色、さわやかな気候を楽しみながら過ごしている。

 

8.1 国内幹線道路網の要所(Major Nexus on National Highways)

 

8.1.1 主要幹線四道路(Four Major Road)

 

4本の主要幹線道路がターイフに集まって居り、国内幹線道路網の主要な要所として機能している。4本の主要幹線道路はジェッダ(Jeddah)/ターイフ(Taif)線、リヤド(Riyadh)/ターイフ(Taif)線、アブハ(Abha)/ターイフ(Taif)線およびサイル(al-Sail)経由のメッカ(Makkah)/ターイフ(Taif)線である。

 

(注) ジェッダ/ターイフ線とリヤド/ターイフ線は紅海岸と湾岸を結ぶアラビア横断道路(Trans-Arabian Highway)の幹線である。

 

8.1.2 四幹線道路を結ぶ環状道路(Ring Road connecting 4 Major Arteries)

 

これらの方向からの交通量に対処する為にターイフはこの市を横切る或いはバイパスする混雑を緩和する市内および市外の道路体系の整備に忙しかった。この市から出て行く4幹線道路を結ぶ環状道路が南方面を含めて先ず完成した。この西半分は既にサイル道路(al-Sail or Makkah Road)、ハダ道路(al-Hada or Jeddah Road)およびシャファ道路(al-Shafa)の間を通行する為に既に開通していた。

 

 

環状道路は最新に進歩した技術に基づき、総道路幅64m、各方向3車線、全ての交差は架橋構造で計画し建設された。ユーカリノキ(Eucalyptus)、モクマオウ(Casuarina)、イチジク(Fig)、イトスギ(Cypress)、セイヨウキョウチクトウ(Oleander)やその他多くの種類の樹木の数十万本の苗木が道路の総延長に並べられた。

 

8.1.3 改善された市街地の道路(Improved Urban Roads)

 

市街地の道路は広げられ、直線化され、高架橋(Bridge)やくぐり抜け道路(Underpass)を使って改善された。くぐり抜け道路は典型的にキング ファイサル病院南西角の交差点、ジャイシュ(al-Jaysh)とキング ファイサル通りの交差点、政府夏期政庁の直ぐ北および再びキング ファイサル通りで国際会議場の脇等に設けられた。何処にでも紹介されていた上記全ての事業と涸れ谷ワジ通り事業は市中心の交通の緩和と抑圧を目指して長く掛かった。

 

8.1.4 非ムスリムバイパス(Non-Muslim Bypass)

 

非ムスリムはメッカに入る事は許可されていない。非ムスリムの旅行者がターイフ(Ta’if)からジェッダ(Jeddah)にドライブするにはメッカ(Mecca)を迂回する非ムスリム バイパスを使わなければならず、110km (70miles)の回り道が追加される。

 

非ムスリム用バイパス

 

8.1.5 ハダ(Hada)のムハンマディヤ道路(Muhammadiya Road in Hada)

 

ハダ(Hada)のムハンマディヤ道路(Muhammadiya Road in Hada)は延長20km、総工費960万ドルを費やし、200186日に開通した。

 

8.1.6 アシール山岳ハイウェイ(Asir Mountain Highway)

 

ターイフ(Taif)からバハ(Al Baha)経由アブハ(Abha)までの2車線 (545-km Taif-Baha-Abha Two-way Road)のアシール山岳ハイウェイは200484日に予算1.6千万ドルで建設が開始された。

 

Arabnews dated Aug. 5, 2004

アブドッラー国王当時皇太子 (Crown Prince Abdullah)による定礎

 

8.1.7 主要ターイフ道路開通(Opening of a Main Taif Road)

 

ターイフ(Taif)とメッカ(Makkah)は古代から密接な関係があり、交通の行き来が頻繁であった。古代には断崖を抜ける為にロバ道(Donkey Trail)が使われて来た。

 

http://nidalm.com/blog/?p=344

 

この狭い曲がりくねった道のお陰でターイフには外部からの侵略がほとんど不可能であった。630年のフナインの戦い(Battle of Hunayn)*でもムスリム軍(Muslim Forces)はターイフを攻略しようとしたが成功しなかった。

 

今では近代的なハイウェイであるサイル道路(al-Sail or Makkah Road)が利用でき、1時間で行程ある。しかしながら、サウジの主要観光センターであるターイフの大動脈(Al-Kur-Hada Road)と考えられるクール(Al-Kur)とハダ(Hada)間は特に混雑し、事故も多かった。200966日にクール(Al-Kur)とハダ(Hada)間の拡張工事が完成し、メッカ州知事(Makkah Gov. Prince Khaled Al-Faisal)臨席の下に開通した。総延長12kmの交通量の多い道路はマアサル渓谷橋(Two-way Bridge over Al-Maasal Valley)および道路脇の15,000個のコンクリート ブロックを含め、予算5,800万ドルで3年間掛けて完成し、メッカ(Makkah)とターイフ(Taif)間での交通事故緩和につながると期待されている。

 

Arabnews dated Jun. 7, 2009

The newly expanded Al-Kur-Hada Road,

considered the main artery of the tourist resort of Taif.

 

http://www.skyscrapercity.com/showthread.php?p=37923652

 

 

8.1.8 トンネル建設による道路延長短縮事業(Cutting Distance By Tunnel)

 

サウジ国内最大のトンネルで聖都メッカ(Holy City of Makkah)と夏のリゾート都市ターイフ(Summer Resort of Taif)間、120kmの道路を半分の60kmで結び、走行時間を20分に縮める事業が検討されている。マッカ州知事(Makkah Gov. Prince Khaled Al-Faisal)は投資家の支援を受けてこの事業を推進する為にタリーク投資・開発会社(Al-Tareek Investment & Development Company)の設立を承認している。同社の有力株主であるターイフ投資・観光事業会社(Taif Investment & Tourism Company)総裁アブドゥル ラハマン クライエ(Abdul Rahman Al-Quraie)2009924日に「「総延長11kmのトンネルは総予算53,300万ドルで3年で完成する。フィジビリティ スタディは完了済みであり、関係機関の承認を得る為に提出済みである。更にタリーク投資・開発会社の資本は2,670万ドルから5,330万ドルに増資する為にマッカ州知事の同意は既に得ている」と述べている。

 

Arabnews dated Sept. 24, 2009

The proposed 11-km tunnel between Makkah and the summer resort of Taif

will reduce travel time between the two cities to 20 minutes.

 

このトンネルはターイフ(Taif)のカリディヤ(Khalidiya)とカール(Al-Kar)をつなぎ、メッカ・ターイフ高速道路(Makkah Taif Expressway)に接続される。

 

8.1.9 ターイフとアブハ間の鉄道建設

 

2009325日、クンフダ(Qunfuda)に完成したサウジセメントのティハマ セメント工場(Tihama Cement Factory)の稼動式に列席したマッカ州知事(Makkah Gov. Prince Khaled Al-Faisa)は「ジェッダとジザーン間およびターイフとアブハ間の鉄道建設(Railway Lines Linking Jeddah & Jizan as well as Taif & Abha/Khamis Mushayt)がまもなく実行される」と述べた。

 

(注) これら2路線はサウジアラビア鉄道網(Saudi Landbridge)の一部である。

 

 

8.2 観光事業(Tourism)

 

1999年ターイフ 投資会社(Taif Investment Company)が設立され、カール観光村(Al-Kar Tourist Village)とハダ山塊(Hada Mountains)を接続するケーブルカーの敷設の他にターイフ市内(Modern Shopping Center at Ancient Okaz Market)とセサク レゾート(Sesac Resortor or Sesaid resort)観光村の2ヶ所にもケーブルカーの敷設を計画していた。アブドッラー国王当時は皇太子 (Crown Prince Abdullah)200186日にリゾート都市を訪問する際に総額2.7億ドルの観光開発事業を稼動させた。一方ではターイフ県庁が観光事業促進委員会はハダ(Hada)やシャファ(Shafa)を含む新たな観光事業を計画していた。200944日、メッカ州知事(Makkah Gov. Prince Khaled Al-Faisal)を議長とする観光開発協議会(Tourism Decvelopment Council inTiaf)はターイフをサウジ国内第一の観光センターとする為の方策について話し合った。

 

8.2.1 観光リゾート(Torist Resort)

 

アブドッラー国王当時は皇太子 (Crown Prince Abdullah)によってカール観光村(Kar Tourist Village)はケーブルカー事業(Cable Car)の開通と共に200186日に正式に開所した。ハダ山塊にあるケーブルカーの上駅(Upper Station on Hada Mountains)110室と家族スウィートを持つ五星のホテル、多くのレストランおよび600人収容可能なモスク、室内スタディアムおよび子供用の遊技場で構成される。ケーブルカーの下駅にあるカール観光村は博物館、レクレーションセンター、空調付の100以上の部屋およびモスクで構成され、総工費は930万ドル弱であった。

 

リゾート(Resorts)としてはハダのバハデュール プラザ リゾート(Bahadur Plaza Resort in Hada)やハダ観光リゾート(Torist Resort in Hada)が開発された。バハデュール プラザ リゾート(Bahadur Plaza Resort in Hada)は総工費2,700万ドルで20021024日開園した。このレゾートには5星のホテル、16のビラ、スパーマーケト、インターナショナル レストラン、レクレーション センターが含まれている。ハダ観光リゾート(Torist Resort in Hada)はアモウディ不動産(Alamoudi Real Estate Group)が開発し、敷地面積6,000m3で総工費420万ドルの観光村、庭園、児童公園、健康クラブを含むハダ観光リゾートを完成し、2005828日から営業を開始した。

 

8.2.2 ケーブルカー(Cable Car)

 

中東最大のケーブルカー事業(Cable Car)がリゾート都市ターイフ(Resort City Taif)で完成し、当時皇太子であったアブドッラー国王(Crown Prince Abdullah)によってカール観光村(Kar Tourist Village)と共に200186日に正式に開通・開所した。全長4,500mのカーブルカーはカール観光村(Al-Kar Tourist Village)とハダ山塊(Hada Mountains)を接続し、52車両と多くのVIP車両を所有し、毎時1,000名の乗客を運搬できる。事業にはホテル、レストラン、レクレーション施設、児童遊園地やスケートと水泳の為の施設も併設されている。ケーブルカー事業は総工費4,000万ドルでオーストリア(Austria)ヴォルフルト(Wolfurt)の会社(Doppelmayr Seilbahnen GmbH)によって工期8ヶ月で完成した。同社は世界中では8,280ヶ所、サウジ国内ではアシール州(Asir Region)で既に5ヶ所のケーブルカー建設の実績があり、サウジの第一号は吊り村として知られるハバラ(Habalah)で、1901年に完成させている。

 

現在、ケーブルカー(Cable Car)はカール観光村(Al-Kar Tourist Village)と共にターイフ 投資会社(Taif Investment Company)に所有されている。この会社は1999年に設立され、ターイフ市内(Modern Shopping Center at Ancient Okaz Market)とセサク リゾート(Sesac Resortor or Sesaid resort)観光村の2ヶ所にもケーブルカーの敷設を計画していた。

 

http://picasaweb.google.com/lh/photo/EVtgHyyaRcS2NYmd4Eb36w

 

http://nidalm.com/blog/?p=344

 

8.2.3 ターイフのホテル(Hotels in Taif)

 

ターイフのホテル(Hotels in Taif)の代表的なホテルはマッサラ インターコンチネンタル(Massarah Inter-continental Taif)とシェラトン ハダ(Sheraton Al Hada)であったが、シェラトン ハダはメリディアン ハダ(Le Meridien Al Hada)に変り、21世紀になってラマダ ハダ ホテル(Ramada Al Hada Hotel and Suites)、アワリブ国際ホテル(Awaliv International Hotels)、チューリプ イン. ターイフ(Tulip Inn Taif)等が新たに開業している。

 

(1) マッサラ インターコンチネンタル(Massarah Inter-continental Taif)

 

このホテルはターイフ中心街から10km、ターイフ国内空港(Taif Doestic Airport)から15kmの場所にあり、179部屋の客室と35部屋のスウィートを保有している5つ星のホテルである。ジェッダ・リヤドハイウェイ脇にあるのでリヤドへの帰途での宿泊には私も良く利用した。

 

 

(2) シェラトン ハダ(Sheraton Al Hada)

 

ハダ山塊(Al Hada Mountains)の位置する5星のリゾートホテル(Resort Hotel)でジェッダ(Jeddah)への便は良い。1978年に建設され、1992年にリゾートホテル(Resort Hotel)として改築された。景色も良く、ゆったりと滞在できるホテルであったが、私にはリヤド(Riyadh)との便でマッサラ インターコンチネンタルには何回か泊まったが、このホテルに宿泊したのは一度だけであった。明記はされた無いが、経営はメリディアンホテルに変った様だ。

 

 

Sheraton Al Hada Taif Saudi Arabia

 

(3) メリディアン ハダ(Le Meridien Al Hada)

 

ホテルの案内には「美しいバラ園を擁し、甘い蜂蜜とぶどうで知られるターイフは、砂漠からの避暑客を迎える。ル メリディアン アル ハダは、山脈の頂上、標高2,500mのところにある。 岩の多い緑の急斜面を上りきったら、111室の山のリゾートに到着する。 数階分の高さのあるまぶしい金と大理石のロビーアーチから、巨大なシャンデリアが下がっている。 伝統的なアラビア装飾で優雅にまとめられた広い客室からは、ドラマチックな景色が望める」と記述されている。私がサウジ駐在中にはこのホテルはシェラトンホテル(Sheraton Hotel)によって運営されていた。

 

 

(4) ラマダ ハダ ホテル(Ramada Al Hada Hotel and Suites)

 

このホテルはハダ山塊(Al Hada Mountains)の断崖の頂上に建てられ、素晴らしい渓谷美を眺望でき、カール観光村(Al-Kar Tourist Village)とハダ山塊(Hada Mountains)間のカーブルカー上駅に直近の場所にある。ラマダ ホテルグループはタダウル ジャジーラ不動産会社(Tadawul Al Jazeera Real Estate Company)とハダ観光地区(Al Hada Touristic Area)で五星のホテルを経営を行う契約をし、2006年夏からこのホテルを開業した。

 

 

(5). アワリブ国際ホテル(Awaliv International Hotels)

 

薔薇の都市ターイフの中心街に位置し、商用客と観光客にアラビア独自のもてなしする国際標準で五星の近代的ホテルであり、29階には回転式のレストランがある。

 

 

(6) チューリプ イン. ターイフ(Tulip Inn Taif)

 

このホテルはターイフの商業地区に隣接したアブ バ通り(Abu Bakar Street)に位置し、84の個室と16のスウィートがある、

 

 

8.2.4 夏のリゾート観光祭り(Tourism Festival in Summer Resort of Taif)

 

20056月にサウジ観光最高会議の副事務総長の列席の下、レクレーションとレジャー祭りが開かれた。ターイフ観光祭りは7月初旬から 一ヶ月間のがキング ファイサル公園(King Faisal Park)で開催され、文化、宗教、スポーツ、レクレーション等も様々な催し物が行われる。その開会式が200777日にメッカ州知事カリド ファイサル殿下(Makkah Governor Prince Khaled Al-Faisal)列席の下に催された。ベドウインの駱駝レースは親衛隊主催で7月と8月にターイフの東40kmの涸れ谷ライヤ(Wadi Layyah)で行われる。

 

8.3 テレコミュニケーション システム(Telecommunication System)

 

夏期首都は最新のテレコミュニケーション システムを持たなければならず、ターイフはこの点についても良く勤めた。ハダ自動通信コンプレックスは198368日に開所し、75千回線の電話と1千回線のテレックスを確保した。ハダのアンテナは全ての方向に対して優位を占めていた。

 

1931819日にリヤドにある2つの移動局がターイフに置かれた同じ様な移動局と通信が出来、その上に2つの都市の間およびメッカとジェッダを通じて世界中の都市と首尾良く通信出来る様に成った事へのお祝いの言葉がアブドゥラアジーズ王(King Abdulaziz)に無事届けられた時にターイフはリヤドとヒジャーズ(Hejaz)の間の最初の無線通信の場所を持った事を誇りにした。

 

8.4 保健と教育の発展(Development in Health & Education)

 

王国全体で保健や教育の分野で行われた一際優れた発展はターイフの例が良いて手本になった。厚生省が管理する3つの病院、国防省が管理する2つの病院、国家親衛隊が管理する6番目の病院に加えて、1983年にファハド国王は続いて公共病院を1つ、胸の病気の私立病院を1つそれに精神科の病院1つ建設する様に命じた。80の病室に160床のベッドを持ち、外来患者用の別棟を持つ新しい6階建てのターイフ産婦人科・小児科病院(Taif Maternity and Childeren’s Hospital)19845月に正式開院した。

 

アブドゥル アジズ専門病院(King Abdul Aziz Specialist Hospital)200185日にアブドッラー国王当時皇太子 (Crown Prince Abdullah)によって開所された。この病院はベッド数500でターイフ最大の病院であり、事業の予算は16,000万ドルと推測されている。

 

ハダ地区(Al-Hada)にある軍事病院(Armed Forceds Hospital)350病床を持ち、サウジ軍人およびその家族に対する第一次、第二次および第三次医療業務を行う。この病院は西欧の最新式医療設備を装備している。この病院の中の歩ける範囲に外人用住宅があり、病院の敷地内には職員用の卓越した娯楽施設もある。メッカ(Makkah)、ターイフ(Taif)およびジェッダ(Jeddah)からの所要時間はそれぞれ、45分、15分および2時間である。ハダ地区(Al-Hada)には親衛隊病院(National Guard Hospital)もある。

 

http://www.sainternational.us/hospitals/hospitals.htm

Armed Forces Hospital at Al-Hada

 

 

リハビリテーション センター(Rehabilitation Center)100病床を持ち、サウジ軍人およびその家族に対する高度なリハビリテーション医療業務を行っている。

 

http://www.sainternational.us/hospitals/hospitals.htm

Rehabilitation Center in Taif

 

ターイフにはさらにキング ファイサル総合病院(King Faisal General Hospital)等がある。

 

学問的にはターイフは常に学者、図書館および書店が有名である。第三次産業としてターイフはウンム クラ(Umm al-Qura)にあるメッカ大学の完全分校を維持してきており、やがてそれが完全な総合大学となるだろう。総合単科大学が職業教育センターと教育大学を運営している。

 

8.5 公園と動物園(Parks and Zoo)

             

8.5.1 キング ファハド公園(King Fahad Park)

 

1983年に公式に開園し、ターイフ市民への王からの贈り物であり、市役所はが計画・実施した至宝でもあるキング ファハド公園(King Fahad Park)はカリディイヤ地区(Distinct of al-Khalidiyyah)内のハダ(al-Hada)からのこの市の入口にあり、175千平方メーターを占めている。

 

この公園の顕著な特徴の一つは背景の岩山から放出される滝で活気を添えられた大きな人工湖である。アーチ型の橋が湖に架けられ、4つの泉が中央から水を高く吹き上げている。主要な施設にはモスクと2つの野外ラウンジと1の屋内食堂を持つレストランがある。

 

 

公園には子供の為の大変様々な遊び場がある一方で家族は受動的なレクリエーションに適した44の魅力的に設計された木製とコンクリート製のあずまやがある。砂利をひいた散歩道は休養の為にぶらぶら歩いている人達の為のベンチが置かれている。その他の呼び物としては花園や豊富な種類の樹木があるが、まだ若く、当面は小さい。土壌は岩だらけだが、面積は広いのでそこに草を植える為の唯一の方法はアストロターフ(Astroturf)人工芝を25千ヘクタールに貼り付ける事である。夜間は高い街灯からの投光照明で公園全体を照らすと近くの丘に特別な照明効果が顕れる。

 

保守管理やその他の目的の為にアスファルト舗装道路が専用の駐車場を持つ公園を取り巻いている。出入りは泉を持つ2つの主入口で、それを入ると直ぐに軽食や飲料を売るキオスク(Kiosk)3つの補助入口がある。

 

非常に短い間にこの公園はターイフ市民や観光客にとって人気のある場所となったので既に拡張が決定されている。拡張計画が決定されると周囲の土地の145千平方メートルが追加され、キング ファハド公園(King Fahad Park)の一部となる。同時にイスラム式の造園概念に基づいて修景も行われる。

 

8.5.2 ルダフ公園(Al-Rudaf Park)

 

ターイフの南にあるルダフ公園(Al Rydaf Park or Al-Rudaf Park)は大きな自然公園であり、そこでは荘厳な風化した花崗岩の間に木立が散らばっている。ここには小さな動物園もある。

 

ターイフは実際に市の内外の緑化地域の改善と可能であれば拡大を含む総合的公園計画を持っている。現在、キング ファハド公園(King Fahad Park)に加えてターイフ市の中にその他の6つの主要な公園と30の公園を持っている。その殆どは市役所によって作られ、その全ては市役所が管理している。

 

最近、ターイフで行われたもっとも大掛かりな事業はルダフ地域(al-Rudaf)での大規模自然公園の創設である。ルダフ地域は市の南はずれにある素晴らしい景観を持つ地域で木立が堂々とした風化した花崗岩の間に散らばり、長い間、ターイフの人々の好ましい遊山の場所であった。そこでは浸食、水、風、霜および温度等の変化が結びついた作用が訪問者を喜ばす様な豊富な色彩と形状を持つ小山(hillocks)や巨大な丸石の幻想的で霊感を吹き込む様な景観を作り出している。この景観が作り出すのどけさと冷たさは瞑想や沈思するのに向いている。

 

初段階として12万平方メートルが道路、駐車場、ベンチや遊び場、照明およびその他のアメニティー設備を含む慎重な造園によって接近出来、たのしめる様になった。

 

8.5.3 動物園(Zoo)

 

市当局はこの公園を近い将来、総合的な休養・教育施設に転向して、60万平方メートルまで拡張しようと希望している。市当局はすでにこの公園に隣接した動物公園の設立から始め、子供や若者を中心に多くの人々の興味と好奇心を引き付けている。

 

85千平方メートルの柵をした地域を広げ、成熟すれば殆どの動物に向いた良好な環境を作れ出す為に広範囲な種類の木々を動物園に植樹している。動物園には現在、2頭の赤ちゃん象、大猫(Big Cats)、ガゼル (Gazelles)、ヒヒ(Baboons)、クロコダイルワニ(Crocodiles)、多くの種類の鳥類、奇妙にも犬(Dogs)2頭の豚(Pigs)が居る。委託購入し、間もなく到着する動物にはライオン(Lions)、チーター(Cheetah)、野生の猫(Wild Cats)、シマウマ(Zebras)、アンテロープ(Antelopes)、キリン(Giraffes)等が居る。動物園には交替に男性は土曜、月曜、水曜日に女性は日曜日、木曜日、金曜日に入場できる。

 

8.6 名所・旧跡(Place to See)

 

8.6.1 考古学的な遺跡(Architectural Sites)

 

ターイフはイスラム以前の考古学的な遺跡が多い。岩壁画の地区(Rock Carving Site)40km (25miles)ターイフ北方にある。多くの遺跡と同様に発見される絵や碑文は日付や歴史を示している。一番有名な歴史的な遺跡はスーク オカズ(Souk Okaz)である。イスラム以前のもっとも大きく、有名な市場(Souk)あるいは集会場であり、毎年、社会・政治や商業の集まりが催された。歴史上でアラビアの文学や文化が最も豊かであった時代にはスークは詩や韻文の公開吟誦を競う場でもあった。建物は玄武岩を含む目立つ外周の壁と共に残っている。

 

(注)オカズ市場(Suq Okaz)に関する詳細は4.2章を参照戴きたい。

 

8.6.2 砦やモスク(Forts and Mosques)

 

イスラム初期のモスクの中にはアブドッラー イブン アバッス モスク(Abdullah ibn Abass Mosque) アダス モスク(the Adas Mosque)およびサノウシ モスク(Al-Sanousi Mosque)が含まれる。涸れ谷ミサ(Wadi Mitha)には西暦619年にムハンマドがターイフにハワジン族(Hawazeen)*とサキフ族(Thaqif or Tawfiq)の支援を得ようとやって来たが、石を投げつけられた。その後、ムハンマドは自分の信者の小さな家に匿われ、その家は今でもモスクとして使われている。

 

ターイフには又、イスマイル パレス(Palace of Ismail)、バハワト パレス(Palace of Bahawat)およびシュブラ パレス(Palace of Shubra)を含む歴史的なパレスも多い。岩壁画の地区(Rock Carving Site)の近くにはトルコの砦(Turkish Fort)の廃墟があり、「アラビアのローレンス(Lawrence of Arabia)1917年にここで戦った」との言い伝えがある。ここでは多くの戦闘が行われて居り、多数の墓が見られる。

 

 

 

8.6.3 景観(Beautiful Scenes)

 

ターイフの西側はアスダール(Al-Asdar)と呼ばれる断崖絶壁を含むジバル サラト(Jibal al-Sarat)*の障壁で紅海に向かって落ちているので素晴らしい山岳景観をなしている。その中でもサラワト山脈(Sarawat Mountains)*の高い場所にあるハダ山塊(Hada Mountains)やシャファ(Al Shafa)からの眺めが素晴らしい。シャファ(Al Shafa)の小さな村では農作物も豊富であり、ターイフの果樹園はここにある。冒険心のある人は駱駝騎乗を試すと良い。ハダ病院(Al-Hada Hospital)とハダ山塊(Hada Mountains)山頂にあるシェラトン ホテル(Sheraton Hotel)の間には大きな自然公園がある。ハダ(Al Hada)は静穏を意味し、この公園の木々や植物は本当の休息を提供している。ここは又、山越に夕日を見る絶好の場所でもある。

 

8.6.4 建物(Prominent Buildings)

 

ターイフにはイスマイル パレス(Palace of Ismail)、バハワト パレス(Palace of Bahawat)およびを含む歴史的なパレスも多い。シュブラ宮殿(Shubra Palace)1900年に建てられ、1930年代にアブドゥルアジズ王(King Abdul Aziz)の宮殿であった美しい伝統的な家は今日ではターイフ地方の市内博物館として利用されている。その他にオカズ博物館(Okaz Myseum)等もある。

 

() シュブラ宮殿(Shubra Palace)に関しては6.7章を参照戴きたい。なお、幾つかのホテルの観光案内にはシュブラ宮殿(Shubra Palace)はショプラ宮殿(Shopra Palace)と記載されている。

 

8.6.5 建造物(ダム)(Artificial Constructions - Dams)

 

ダムとしては古代のスッド サマッラキ(Sudd Samallaqi)やスッド サマッラキ(Sudd Samallaqi)があり、サウジアラビア治世下での最初の近代化ダムであるイクリア ダム(Ikrima Dam)(アクラマ ダム (Akramah Dam))がある。詳しくは「第二部 涸れ谷と水源(Wadies and Water Resouces)」をご参照戴きたい。

 

8.6.6 スーク(Suq)

 

ターイフのスークの中では「仕立て屋のスーク(Tailors' Suq)」、伝統的なベドウイン スーク(Traditional Bedouin Taif souqs)や中心街にある旧スーク(Old Suq)等が挙げられる。商店の並ぶ多くの路地では外から訪れた買い物客でも絨毯、天幕、伝統的な刺繍をされた服、手作りの宝飾品類、香辛料やベドウインの手工芸品を見つけられる。

 

8.7 ターイフ空軍基地(Taif Air Base)

 

ターイフはサラワト山脈(Sarawat Mountain Range)*の中央山麓丘陵地帯にあり、北緯21°2900″、東経40°3240″で海抜1,463m (4,800 feet)である。ターイフはサウジではもっとも快適な気候の地方の一つで気温は米国のフェニックス(Phoenix)と同じ位で、夏に高温になる事は無いが、冬の夜にはかなり冷え込む。ターイフは大きな町では無いでは無いが、生活必需品はここの市場(Souqs)で間に合う。ジェッダ(Jeddah)までは車で2時間足らずである。

 

8.7.1 アメリカ合衆国軍事教練使節(United States Military Training Mission)

 

アメリカ合衆国軍事教練使節(United States Military Training Mission) (USMTM)はフロリダ州マクディール空軍基地(MacDill Air Force Base, Florida)にあるアメリカ中央軍(United States Central Command) (USCENTCOM)指揮下にある合同教練使節である。合同教練使節(USMTM)の隊長はサウジ駐在合衆国軍事代表も兼任している。合同教練使節(USMTM)の空軍部門はターイフ(Taif)、ダハラン(Dhahran)、カミス ムシャイト(Khamis Mushayt)およびジェッダ(Jeddah)に支援分遣隊(Supporting Detachments)を駐留させている。人員の任務はサウジ空軍(RSAF)司令部と全ての兵站業務、作戦および対外有償軍事援助(Foereigh Military Sales) (FMS)と一体と成って対応している。加えて広範囲教練指導専門要員(Extended Training Service Specialist) (ETSS)がリヤド空軍基地(Riyadh Air Base)からサウジ空軍(RSAF)の様々な飛行作戦に対する訓練や補助を行っている。F-15戦闘機の作戦はダハラン(Dhahran)とカミス ムシャイト(Khamis Mushayt)から支援している。RF-5戦闘機の作戦はターイフ(Taif)から支援し、C-130輸送機の作戦はジェッダ(Jeddah)とリヤド(Riyadh)から支援している。分遣隊長(Detachment Commanders) (DETCO)は各サウジ地域空軍基地指令官の顧問であり、その地域の広範囲教練指導専門要員の主任でもある。

 

Taif Air Base

http://www.globalsecurity.org/military/world/gulf/taif-ab.htm

 

 

8.7.2 合衆国軍事教練使節(United States Military Training Mission)

 

合衆国軍事教練使節(United States Military Training Mission) (USMTM)のターイフに駐在する顧問分遣隊はこの地域のサウジ陸軍(Royal Saudi Land Forces) (RSLF)とサウジ空軍(Royal Saudi Air Force) (RSAF)の統括指揮官への顧問業務に責任を持っている。加えて分遣隊はターイフ地域に恒久的に駐在する合衆国国防総省(United States Department of Defense) (DoD)要員の保護、士気、厚生および監督に責任を負っている。

 

分遣隊司令官はこの地域の合衆国軍隊を代表する恒久的に駐在する上級士官であり、国防航空省(Ministry of Defense and Aviation) (MODA)の地方司令官およびキング ファハド空軍基地(King Fahad Ait-Base)即ち西部空域(Western Sector Air Defense)司令官の軍事顧問を務め、更にサウジ空軍第5飛行隊のF-15C戦闘機の即応教官パイロットとしての役割もある。サウジ国内での合衆国国防総省 (DoD)の全ての非戦闘作戦は合衆国軍事教練使節(USMTM)の隊長の指揮下にある。従って、分遣隊はターイフに駐在する陸軍工兵司令部(United States Army Corps of Engineers) (USACE)、戦闘隊形プログラム部隊(Ordinance Program Division) (OPD)、ワーナー ロビンス空軍兵站基地ターイフ派遣隊(Warner-Robins Air Logistics Center/Operating Location Taif) (OC/OLT)、国防契約管理局国際部(Defense Contract Management Division International) (DCMDI)および航空郵便局(Air Post Office) (APO)等の様々な合衆国軍事組織の要員に対する統括指揮を行う。加えて、分遣隊は合衆国陸軍プログラム マネージメント事務所(US Army Office of Program Management) (OPM)とサウジ親衛隊臨時要員(Saudi Arabia National Guard/TDY) (SANG)への指揮と支援も週毎に行う。

 

8.7.3合衆国国防総省組織の任務(Mission of DoD Oraganization)

 

ターイフ駐在の合衆国軍事教練使節(USMTM)の顧問分遣隊とそれ以外の合衆国国防総省 (DoD)組織の任務はこの地方のサウジ軍(Saudi Military Forces)に抑止力と自衛力を発展、教練および維持する為の警備援助努力を通じて助言し、援助する事であり、そして必要であればサウジ駐在アメリカ中央軍(USCENTCOM)の活動を促進させる事である。援助は90億ドルのサウジ空軍平和太陽9F-15S戦闘機)計画、35億ドルサウジ平和の盾計画(C2 Air Defense System)、サウジ陸軍(Royal Saudi Land Force) (RSLF)戦闘軍団センターおよび教練学校(Ordinance Corps Center and School) (TOCC&S)および幾つかの親衛隊(Saudi Arabian National Guard) (SANG)旅団を通じて行われる。

 

Military-Training-Center, Taif, Saudi Arabia

http://www.wolf-vogl.de/4.html

 

 

合衆国軍事教練使節(USMTM)を含む恒久的に駐在する合衆国国防総省 (DoD)事務所は大祭広場(Eid Compound)に位置している。合衆国国防総省 (DoD)要員はガイム コンパウンド(Al-Gaim Compound)或は大祭広場の一角に居住している。両方のコウンパウンド共にサウジ軍事施設に近いターイフ郊外に位置している。合衆国軍事教練使節(USMTM)ターイフ分遣隊は様々な臨時要員(TDY)の移動を車両、宿舎、警備、この地方に関する支援等を整え、世話している。

 

8.7.4 ガイム コンパウンド(Al-Gaim Compound)

 

任務についている米空軍要員とその家族はガイム コンパウンド(Al-Gaim Compound)に住んでいる。このコンパウンドにはマクダネルダグラス(Madonnell Douglas)やプラット アンド ホイットニー(Pratt & Whitney)等の業者で働く約200名の西洋人も収容されている。住家はほぼ西洋の標準で、23或は4ベッドルームで構成されて、カーペットがひかれ、家具付きである。全てのは家庭にカラーTV、レンジ、皿洗い機、洗濯機と乾燥機、皿、金属器、グラス等が用意され、電源も米標準の110Vである。このコンポウンドには4レーンのボーリング場、オリンピック標準の水泳プール、6チャンネルのケーブルTV、ソフトボール場、ラッケトボール上、テニスコート、バスケットコートが設けられている。このコンパウンドはキングファハド空軍基地(King Fahad Air Base) (KFDAB)から車で20分で合衆国軍事教練使節(USMTM)事務所にも近い。

 

西洋食材は注文すればリヤドにある米軍兵站部を通じて週毎にトラック定期便で届くし、スパーマーケトにも品揃いがあり、いつでも手に入るが、時に高価な場合もある。ガイム コンパウンド(Al-Gaim Compound)の住人とその家族はコンパウンド内にある食堂やスナックも使用できる。医療はサウジ軍用病院のハダ病院・療養所(Al-Hada Hospital and Rehabilitation Center)が利用できる。この病院の医療スッタフは殆どが西洋人である。キングファハド空軍基地(KFDAB)のスルタン殿下病院(Prince Sultan Hospital)およびコンパウンドの医務室も利用できる。緊急医療と歯科もハダ病院で加療を受けられる。サウジ空軍では飛行軍医支援をスルタン殿下病院で採用しており、同病院では米軍の飛行軍医の支援もリヤドから受けられる。

 

8.7.5 親衛隊オマール カッタブ旅団(SANG’s Omar Kattab Brigade)

 

ターイフには親衛隊(Saudi National Guard) (SANG)のオマール カッタブ旅団(Omar Kattab Brigade) (OKB)が駐留している。この軽装備歩兵旅団は4大隊から構成されており、主な装備はブローニング機銃(Cal 50 Machine Guns)84mm106mm無反動砲(Recoilless Rifles)および81mm砲である。

 

親衛隊近代化計画マネジャー事務所(Office of the Program Manager Saudi Arabian National Guard) (OPM-SANG)1973年に締結された米サ覚書(Memorandum of Understanding (MOU) between the United States and Saudi Arabian governments)の条文に基づき、この計画を推進している。事務所と住居は大祭会社(Eid Corporation)との契約で整えられている。このコンパウンドは大隊宿営地から3.5kmに位置している。水泳プール、アスレティックを含むレクレーション施設、バスケットコート、テニスコートがコンパウンド内に整備されている。加えて、大祭居住コンパウンド(EID Housing Compound)から10分の場所に素晴らしいキャフテリア、フル装備のジムおよび大きなショッピングセンターを含むガイム コンポウンド(A-Gaim Compound)がある。

 

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