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豊かなオアシスに恵まれた原油の宝庫
(サウジアラビア王国東部州) その5 アラビア湾岸 (Vo.5 Arabian Gulf_1) 著: 高橋俊二 |
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緒言 前書き
緒言 東部州はアラビア湾に臨むサウジアラビアの東海岸全てに及んでいる。このアラビア湾は周囲を沙漠に囲まれて居る為に真水の流れ込みが少なく、湾の入り口が狭められて居る為に外洋との海水の入れ替えも限られている。又、広大な堆積盆に出来たこの湾の水深は浅く、沙漠気候で蒸発量が多いので塩分濃度は高い。その一方で、緯度が高いので冬場には結構気温が下がる。その様な生育限界に近い条件にもかかわらず、珊瑚礁やマングローブ林の群生があり、海草床や海藻床も多く見られる。この為、アジア/ヨーロッパとアフリカの間を移動する渡り鳥に餌場や営巣地となる休息場を与えるばかりでは無く、世界的に稀少な海洋生物のサンクチュアリ(Sanctuary)ともなっている。アラビア湾はこの様な特異な環境を持っている割には隣の紅海に較べてその生態系の紹介はこれまで限られていたのでこの5編「その5 アラビア湾岸」ではそれを中心にまとめ、前4編では余り触れて来なかった漁業や伝統的ダウ船作りにも言及した。 前書き アラビア湾に関する歴史や交易等についてはこれまでに触れて来たし、更に詳しく述べるとすると中東の歴史になりアラビア半島は脇役的になるので、この編ではアラビア湾の生態系を中心に紹介をしようと考えた。「アラビア湾は海上作業にも長く携わっていた経験もあり、ある程度資料もある」と思って執筆を始めたが、アラビア湾全体の生態系に関しては殆ど手元に資料が無いことが分かった。これではまとめようが無いので緑化研究の同僚であったサウジ人の学識達を真似てインターネットでの資料検索を始めた。時間は掛かったがなんとか必要な資料を手に入れ、ここにまとめる事が出来た。
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